父が入院していた頃の出来事で、今でも時折思い出すことがあります。
ベッドの傍らで面会していた際、看護・介護スタッフさんが「おむつのなかに排泄してくださいね」とお声がけをされている場面に出会いました。
父の足元にはポータブルトイレがあり、「できることならトイレ(ポータブル)で排泄させてあげたい」「誰だって本当はおむつのなかにするのは嫌なはずだ」と、一人の家族として切ない気持ちがこみ上げました。
一方で、ナースコールが鳴り響く限られた人数と時間の中で、転倒や転落といった重大な事故を何としても防がなければならない現場の切迫感や、リスク管理の厳しさも、頭では理解できていました。
「父の気持ちを尊重してあげたい思い」と、
「安全を守るために葛藤しながら対応している現場的大変さを理解する気持ち」。
その2つの間で言葉を呑み込み、静かに見守ることしかできなかったあの時間は、正直見ていてとても胸が痛むものでした。
医療や介護の現場において、「本人の自立や尊厳」と「安全確保・リスク管理」をどのように両立させるかという課題は、非常に繊細で難しいテーマです。
どちらが正しい・間違いということではなく、現場で懸命にケアにあたってくださるスタッフの皆さんへの感謝を忘れずに、利用される方お一人おひとりの「自分らしさ」や「安心」をどう支え合っていけるのか。
家族としても、一人の人間としても、これからも大切に考えていきたいと実感した出来事でした。
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※本記事は個人の体験に基づく情報です。手続きや制度の詳細は自治体・機関によって異なる場合がありますので、必ず公式の窓口でご確認ください。
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